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精神科の病棟・病室・隔離・身体的拘束

精神科が怖いと感じる理由の一つは閉鎖病棟だと思います。牢屋のようなところに閉じ込められるのでは、二度と出られないのではと不安になりませんか?ほとんどの方からはブラックボックスのような精神科病院ですから、少し説明をしてみます。

 

病棟は大きく別けて2種類

開放病棟

鍵のかからない病棟です。ふつうの内科や外科と同じような入院と考えて下さい。精神疾患が原因で入院が必要であっても、しっかりと論理的に考えて責任ある行動ができる人はたくさんいらっしゃいます。そういった、行動を制限する必要がない方は開放病棟に入院になります。例外として、患者さん自身が閉鎖病棟を希望した場合や、開放病棟に空きがない場合で患者さんが閉鎖でも良いと同意した場合は、閉鎖病棟に入院してもらうことがあります。

閉鎖病棟

病棟の出入り口に鍵がかかる病棟です。部屋に鍵がかかるわけではありません。精神疾患が原因で行動が影響されてしまう患者さんや、治療しないとまずいんだけど、本人に病気の自覚がなくて逃げ出してしまうなど開放環境では治療が成立しない患者さんが入院する病棟です。病棟内では自由に行動できますが、病状によってさらに行動を制限しないといけない場合があります。刃物や火器など、事故の原因になるものは持ち込みが制限されます。持ち込み制限は各病院の規定によります。

 

病室は個室か大部屋(2床以上)か

大抵の病院は比率的には大部屋が多いのではないかと思います。何人部屋かは病院によって異なります。2床の場合もありますし、大規模な大部屋もあるようです。昔の精神科病院には和室も多くあったそうですが、最近は少ないと思います。個室については病院によって扱いが違います。差額室料という個室代を頂いて希望する方に個室を利用してもらう病院もありますし、特別な料金は頂かない代わりに患者さんの希望では利用できず、病状によって大部屋や個室を使い分ける場合もあります。

保護室

壁や床が柔らかい素材でできていたり、ドアが二重になっていたり、頑丈な作りになっている部屋です。だいたい看護ステーションの近くにあって、観察のためにカメラが付いている場合もあります。(トイレは映りこまないように配慮してあります)病状で暴れてしまう患者さんや、大声を出し続けてしまう患者さんなどが一時的に使用します。ほかにも認知症やてんかんなどで転倒のリスクが高く厳重な見守りが必要で、万が一、転倒した場合の怪我を少しでも防ぎたい場合にも使用されるかもしれません。作りは病院によって異なります。壁の一部が金属棒になっている場合があります。これは保護室の外から一人の職員が患者さんを保持し、保護室内の別の人間が退出する際に患者さんが一緒に飛び出してしまわないようにしたり、激しい患者さんに安全に物を渡したりする場合に使用されるようです。金属棒の壁面がない保護室も多いです。

 

隔離と身体的拘束

隔離とは病室のドアに鍵をかけることです。隔離中の患者さんは個室から出られない状態になります。例えば刺激に反応して調子が悪くなり、暴れて本人や周囲が怪我をしてしまいそうな場合などで、隔離以外の方法では安全が確保できない場合などに行います。ほかにも、裸になって歩き回ってしまうとか、本来その患者さんではありえないような言動を繰り返してしまい、患者さんの安全や名誉を守るためにほかの患者さんとは生活域を区別したい場合などにも隔離をすることがあります。

身体的拘束は手足や体を専用のベルトで固定して動きを制限することです。通常ベルトはベッドフレームなどに固定して使用します。例えば暴れている患者さんを隔離したものの、室内でドアや壁を殴り続け、怪我をしてしまうような場合に行います。身体的拘束は状況が切迫していて、他の方法では安全が確保できない場合に一時的な処置として行われます。

隔離や身体的拘束は強く患者さんの人権を制限するため、精神保健指定医による必要性判断が求められたり、看護師の頻繁な見回りや医師の毎日複数回の診察が義務付けられていたりとルールが厳しく決められています。