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アルコール外来

はじめに

私はお酒が好きですが、お酒は立派な薬物であり使用法を間違えると大変なことになることを知っています。患者さん本人のみならず、家族を中心とした沢山の人々が大変な苦悩を抱えます。本人がまだ病院に来る気持ちになれなければ、家族だけでも受診できます。当院では家族や支援者を対象にしたプログラムも準備しています。まず話だけでも構いません。孤立しないことが重要です。

当院の取り組み

診察と認知行動療法の組み合わせで治療を行っています。処方は状態に合わせて行いますので、お薬なしで治療する場合も多々あります。アルコールは合法薬物ですので治療を強制することはありません。全て任意参加で、中止も自由です。

①断酒プログラム

アルコール依存症の方が対象です。断酒を目的とした集団認知行動療法を行います。10名程度のグループで、週に1回治療を行います。概ね4~6ヶ月間かけて、お酒をやめ続けるための知識や技術を学び訓練していきます。アルコール依存症治療の第一選択は断酒です。  詳しい理由はこちら。

②減酒療法

身体的な問題が軽いアルコール依存症の方が対象です。どうしても断酒する気持ちが固まらない場合にお薬と認知行動療法を併用して酒量を減らします。お酒を飲みたい気持ちを抑え、飲んでいない時間の不快感を軽減します。

③家族プログラム

患者の家族や支援者が対象です。患者を治療につなげること、家族の負担を減らすこと、家庭内暴力を予防することを目的として認知行動療法を行います。問題の分析やコミュニケーション能力の向上、対立構造に陥ることなく患者へ治療を勧める技術を身に付けて頂きます。ご自身の保険証をお持ちください。

④アルコール問題予防プログラム

​アルコール依存症ではないけれど、お酒の量を減らしたい方が対象です。​お酒と上手に付き合えるようになり、長くお酒を楽しめる人生を目指します。​4回程度の診察とカウンセリングで終了する手軽さですが、多くの方が自発的に飲酒量を減らしています。

合法薬物アルコールの正しい知識

 節度ある飲酒とは何でしょう。健康でお酒が飲める体質の若い男性が、アルコール関連の健康問題を生じずに毎日飲めるお酒の量はどのくらいでしょうか?

 

 まずはお酒に含まれるアルコールの量を計算してみましょう。お酒には度数が記載してあります。焼酎なら20~25%程度、ビールなら6%程度です。アルコールは水よりも軽い物質で、比重が0.8g/mlです。たとえば焼酎1合に含まれているアルコール量は次のように計算されます。

 180ml(焼酎1合)×0.2(度数20度)×0.8g/ml(比重)=28.8g

 

 20度の焼酎1合には28.8gのアルコールが含まれていることが分かりました。ここで最初の質問の答えを発表します。健康でお酒が飲める体質の若い男性が毎日飲んでも大丈夫なお酒の量は、アルコール量換算で20g未満です。お酒を飲むと赤くなる人、女性と高齢者、胃を切除している人はその半分の10g未満です。

 毎日晩酌で焼酎1合を飲んでいる方は珍しくありませんが、たったそれだけのアルコールでも様々な病気の原因となります。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病や、肝機能障害、うつ状態、睡眠障害、認知症、性機能障害、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、肝癌、大腸癌、乳癌など。からだの問題以外にも、仕事や人間関係、金銭問題、暴力、運転、家族トラブルなど社会的な問題をはらむこともあります。

 自分には飲酒の問題がないと思っていませんか、自分ならうまく飲めると思っていませんか、ストレスや不眠があるからお酒が必要と思っていませんか。依存症でなくても、問題のある飲酒をしている人はたくさんいます。お酒と上手に付き合っておいしいお酒をずっと飲みたい人は、ぜひ早期に当院でご相談ください。

​ 治療上の嘘をつかない、触法行為をしない、他人の治療を邪魔しない、など治療上の最低限のお約束を繰り返し守れない方は治療が成立しませんので受診をお断りする場合があります。

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