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便秘症

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 誰でも一度は経験したことがある便秘ですが、長引くと大変な苦痛となります。実は単に便が数日でないことを便秘というわけではありません。慢性便秘症の診療ガイドラインでは以下の6項目のうち、2項目以上を満たす場合を便秘症としています。

(表現を一部改変)
4回に1回以上の頻度で強くいきむ必要がある。
4回に1回以上の頻度でコロコロ固めの便が出る。
4回に1回以上の頻度で便が出きっていない感じ(残便感)がある。
4回に1回以上の頻度で肛門が詰まったような感じや、便が出にくい感じがする。
4回に1回以上の頻度で便をほじりだしたり、肛門付近を押したりしないといけない。
自然な排便が週に3回未満である。


排便の回数が少なくてもおなかの調子が良くて、それがその人のペースであれば問題はありません。

一方で回数が多くても、不快な排便が続くようであればそれは便秘症です。

 

原因

 何らかの腸の病気が隠れている器質性便秘症(例えば大腸がんで腸の中に狭い場所がある、腸が捻じれてしまっている等)と、腸の機能など異常がある機能性便秘症(例えば直腸が鈍感になっている、筋肉が弱っておなかに圧がかからない、お薬の副作用等)に分けられます。

 

治療

 器質性便秘症の場合は原因となっている病気の治療が必要です。機能性便秘症の場合、お薬の副作用で便秘になっている場合は、原因薬物の減量や中止が第一に考えられます。特にはっきりした原因が特定できない便秘症では生活習慣改善と、お薬による治療を検討します。便の材料となる食物繊維の摂取量が少なすぎないか、便意を感じたときに排泄を我慢していないか、腹圧をかけやすい姿勢でいきむことができているかなどを確認します。

 下剤には大きく別けて、便に含まれる水分量を増やして出やすくするタイプの下剤(非刺激性下剤)と、腸を刺激して動かす下剤(刺激性下剤)があります。刺激性下剤は便の形を適切にした上で使用する必要があります。また、長期に連用するとお薬が効かなくなったり腸の機能が低下したりする危険性が指摘されているため、原則的に非刺激性下剤を使用した上でどうしても出ない時のレスキュー薬として使用します。

 

なぜ精神科医が便秘症を扱うのか

 精神科で扱うお薬の中には薬剤性の便秘症を引き起こすお薬が沢山あります。できる限り便秘症にならないように気を付けているのですが、それでも便秘がちになってしまうこともあります。患者さんが快適に過ごすために、適切な便秘治療を行うことは大切であると考えています。

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